日本の宗教事情について

 

 昨今の日本では、国の政策である移民受け入れのもとで外国人労働者や外国人移住者も次第に増えてくるようになりました。世界には世界三大宗教(イスラム教・キリスト教・仏教)をはじめその他新興宗教など様々な宗教が存在しています。では、現在日本はどのような宗教事情になっているのか触れてみたいと思います。

まず、日本は古来より仏教が入ってくる以前は自然宗教であったということです。

 自然宗教とは何か?

 一般的に宗教を語るには創唱宗教と自然宗教に分かれると思いますが、自然宗教では創唱宗教のように特定の教祖や教義はなく、山、川、森、海といった自然界にはたくさんの神様が存在するのだ!という思想です。八百万の神々が存在するのだ!というように無名の人たちによって自然に実践されてきた宗教と言えましょう。

 日本の場合、6世紀頃に流入した仏教が19世紀中頃まで最も影響力を受けた宗教であります。実際蓋を開けてみれば自然宗教が日本人の思想のベースになっていると思います。私自身の育った環境もあり、両親が二人とも「うちは無宗教です!」ということだったので、多くの家庭は私と同じような環境であったことだろうと思います。

 正月には神道の初詣、お盆に仏教の墓参り、年末にはキリスト教でイエスキリスト生誕を記念するクリスマスですからごちゃ混ぜです(^^;)
 また、自然宗教がベースとなっているので教祖や教義も存在しないため日本人の持つ宗教の概念としてとても漠然としています。なにせ自然宗教ではそれを信仰する上での根拠がないわけですから。

 なので、創唱宗教のように聖典や経典を通して教義のある宗教を目の当たりにすると戸惑ってしまい宗教にはなじめないといった思いを感じたり、その昔お金儲けのために人を騙したりする悪い新興宗教によって事件が発生していたことがあるので抵抗があるのかもしれません。

 そして、日本では毎年サンタクロースがやってくると言われる当たり前の行事となっているクリスマスですが、イエズス会宣教師のフランシスコ・ザビエルとともに日本で布教したコスメ・デ・トレースが、1552年に現在の山口県において降誕祭を行ったのが、日本における最古のクリスマスだと考えられています。

 他には日本人が先祖崇拝や礼儀を大切にするという部分において中国から伝わった儒教の影響も受けています。

 また日本では現在宗教には位置づけられてはおりませんが、宗教のようなものに国家神道というものがあります。

 国家神道とは、神道の一形態であり近代天皇制国家が政策的につくりだした事実上の国家宗教です。

 1890年に出された「教育勅語」は、国民に天皇制国家への忠誠を命じるとともに祖先崇拝を強調し、国家神道の事実上の教典となったわけです。また各学校へ配布された天皇・皇后の「御真影(ごしんえい)」は、国家神道の事実上の聖像として礼拝の対象となりました。

 「教育勅語」は明治天皇が教育の根本精神について国民に授けた聖なる教えであり戦後の1945年まで日本の学校(主に小学校)では尊ばれていました。
また、伊勢神宮、皇居を遙拝したり明治神宮、靖国神社に詣で天皇のご真影と教育勅語に頭を垂れるようになったわけです。

 この国家神道のもとで、国内をはじめ植民地、占領地などに靖国(やすくに)神社、橿原(かしはら)神宮、明治神宮、朝鮮神宮、建国神廟(びょう)などの神社が相次いで創建されることとなり、国民は天皇崇拝と神社信仰を義務として課せられ地元の神社の氏子に組織されたという流れです。

 私自身は年代の差もあり、国家神道にはほぼなじみがありませんでしたが(^^;)

 その後、敗戦直後の1945年(昭和20)12月、GHQ(連合国最高司令部)によって神道指令を発せられ、国家神道の廃止と政治と宗教の分離を命じられたのです。神社神道は国家的公的性格を失い、民間宗教として再出発することとなり、47年神社本庁が設立されました。

 昨今は皇族であられた眞子様のご結婚の話題が多かったのですが、ちなみに日本の初代天皇と言われている神武天皇の即位年は紀元前660年2月11日ですね。

 ということは、日本という国(王朝)は国が建国されてから今年が2021年になりますので、2681年目(皇紀2681年)ということで世界最古の王朝なのです。これは本当にすごいことなのです(^^)/
天皇陛下の話が出てきましたので少し余談となってしまいましたが(^^;)

 このように日本の宗教は、おおまかにまず古来からの自然宗教がベースになっておりその上に仏教が乗っかり、キリスト教も追加されて最後に国家神道が国の政策により強制されていたという事情なわけですね。

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